インスタのクッソ怪しい中国サイトで服を買ったらえらい事になった【水無のイラストエッセイ】
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インスタグラムやネットの広告で、怪しい中国系のファッションサイトを見たことはないだろうか。
去年の秋にインスタグラムを見ていると服の通販サイトの広告が出てきたので覗いてみた。するとかなり好みに合った服がたくさんあったので、買ってみようかなと思ってサイトを色々見ていると、何やら色々怪しいではないか。
まず商品名が怪しい。“ファッション花柄青春好感度急上昇高級感シャツ”や“アバンギャルド爆発中長袖のカッコいいシャツ”といった物ばかりで、とてもじゃないがまともな人間が書いたものとは思えない。
「なんだこの怪しいサイトは……」
私は疑念を抱きながらサイトの名前をよく見てみると“MKAKKOII”と書いてある。
「なんだ? エムカ……エムカッコイイ!?」
大爆笑である。商品名がおかしかったのも合点がいく。なるほどこれは中国のサイトだったのだ。そう言えば商品のネーミングセンスもアマゾンの“令和最新版第3世代進化版イヤホン”みたいな感じではないか。
私はこの猫のセーターとタートルネックセーターが欲しかったのだが『でもクレジットカードの情報が取られたら嫌だな』と諦めようとしたところ『毎月不正利用がないか見ておけばいいか』と思い、私は購入の手続きをした。これが11月6日の話である。
届いたメールには不自由な日本語で『だいたい2~3週間で届く』と書いてあった。つまり11月中には届く予定だ。
だが届くのを気長に待っていようと思っていた矢先、エムカッコイイからメールが届いた。
『親愛なるフレンド水無こんちは。猫のセーターS売り切れにつき、本当に申し訳ございませんがMでよいか?』
細かい所は気にしないようにして、送られてきたサイズチャートを見るとMでも大丈夫かと思い、了解と伝えた。するとすぐに返事があり、大変感謝された。ちなみにいつもメールの文末には『また何か問題でもございましたら、いつでもご連絡ください。全力サポート致します!』と、非常にやる気に満ちた文章が添えられていた。
2日後に商品発送の連絡が入ったが、タートルネックのセーター1点しか発送されていないことになっている。在庫の問題で別便なのかと思って1週間待ったが、もう1点が発送される気配は未だにない。私は怪しいと思って連絡すると「11月11日は中国は独身の日は爆買いでした。それらが及ぼす影響について発送の問題が遅延でございます」と返信が来た。
なんだかよく分からないが中国の事情により1点だけ発送が遅れているらしい。言っても仕方がないので私は待つことにした。
注文から半月後にようやく猫のセーターも発送され、さらにその半月後の12月上旬にようやくひとつめのタートルネックセーターが届いた。
最初の印象は「けっこう可愛いな。買ってよかった」だったが、縫製の確認のため裏表をひっくり返すと、私は絶句した。糸がめちゃくちゃに余りまくっているのだ。
「なんだこの縫製は……」
一瞬ギョッとしたが、ほどけかけているワケではないので余分な糸をハサミで切った。すると片方の手のひら山盛りの糸くずが出た。念の為ほつれやすい脇下などをチェックしたが強度は問題なさそうなので、文句を言いたい気持ちを飲み込んでもう一着を待った。
だが待てども暮らせどもう一着が届かない。追跡サービスを見るとずっと中国で足止めを食らっているようだ。爆買いの日の影響なのか安い便を使っているからなのか分からないが、あまりに遅すぎる。
全然届かない旨を伝えたがエムカッコイイは『もうちょっと待ってください絶対届きますことで!』と言うばかりなので、諦めて気長に待つことにした。
3週間で届くと言っていたエムカッコイイのセーターだが、注文から2カ月以上経った1月12日にようやく届いた。
今度は縫製もしっかりとしていて想像以上に可愛かったので買ってよかったと踊って喜んだが、冷静になって見てみるとなんだかバカみたいにデカいではないか。
「そう言えばSが売り切れたからMを送ると言っていたけど……」
私はそう言いながらサイズが書かれているであろうタグを見た。そして私は再び愕然とした。そこに書かれていたのはSでもMではなかった。
“XL”
なんということだろう。わざわざサイズ確認のメールまで送ってきたくせに、まったく話題に挙がっていないバカデカいサイズを送ってきたのだ。
私は呆れてサイズが全然違う旨をメールした。すると翌日『親愛なるフレンド水無こんちは。本当に申し訳ございません。返金します』と連絡が来た。返金していらないのでちゃんとしたサイズを送ってほしかったのだが、まあビッグシルエットとして着ればいいかと思い、了承した。
さてまさかと思うかもしれないが、問題はここからである。
商品の値段はそれぞれ以下の通りだった。
・猫のセーター:5,743円(返金対象)
・タートルネックセーター:4,876円
つまり5,743円が返金されるはずが、届いたメールには『親愛なるフレンド水無こんちは。昨日に円4,876を返金しました。申し訳ありませんでした。また何か問題でもございましたら、いつでもご連絡ください。全力サポート致します!』と書かれてあった。
昨日返金したんなら昨日言えよ思ったが、問題はそこではなく返金の額が間違っていた。私は「返金対象は4,876円の服じゃない。5,743円の方なので867円足りない」と伝えた。すると数時間後「失礼いたしました。差額円867を返金します」と連絡が来た。
だが事態はこれで終わりではなかった。1週間ほどが経ってクレジットカードのマイページを見た私は一瞬でストレスが溜まった。なんとエムカッコイイは867円を追加で返金するのではなく、4,876円の返金をすっこめて867円だけを返金していたのだ。
私はあまりの無能さに怒りのメールを送った。ひょっとしたら日本語を理解していないのではないかと思い、英語で長文を送り付けたのだが、返ってきたのは『親愛なるフレンド水無こんちは。申し訳ありません。円5,743の返金でしたね間違えました。ではまた差額の円4,876を返金します。また何か問題でもございましたら、いつでもご連絡ください。全力サポート致します!』だった。
もう文頭も文末も煽っているようにしか見えない。二度と連絡しないで済むことが一番のサポートだと気付いてほしい。
この後ようやく追加で4,876円が返金されて無事騒動は収束したのだが、いったいあの担当者はどうしてあんなにもミスをしたのだろう。私が気付かなければラッキーとでも思っていたのだろうか。
私は念の為クレジットカードが不正利用されていないか今でも毎月マイページをチェックしている。
そして先ほど久々にエムカッコイイにアクセスすると、サイト名が“Top Shibuya”に変わっていた。エムカッコイイにせよトップシブヤにせよ、日本人には不信感しか与えないネーミングセンスだ。どうして日本市場でビジネスをするのにサイト名くらい日本人にチェックさせないのだろう。
だが久々に見ているとやはり好みの服がたくさんあるので、また買物したいなァと懲りずに思う私であった。
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