地獄の画家卍イラストエッセイ水無

俳優として全国CMで主演を務め、入社した映像制作会社で「喋りが面白いから」となぜかYouTuberにさせられてうっかり1,000万回も見られてしまう。地獄のようなイラストを添えたエッセイを毎日公開中。書籍化したいので、皆さん応援してくださいね☆

原付で転ぶ我が家の女達【水無のイラストエッセイ】

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 私の実家では、免許を持っている人間が五人いる。おかん、とっつぁん、姉二人、そして私だ。
 数年前に一度『もっとも信頼できるドライバーは誰か』という意識調査を行ったのだが、一位から順におかん、私、長女、次女、とっつぁんという結果になった。

  おかんは昔から家族で長距離移動をする際は基本的に運転をしていたので、過去に蓄積された信頼が票を集めた。これは納得だ。
 私はかなり安全運転であり、停止時にガクンとならないようゆっくりとブレーキを踏むなどの快適性を重視するため、もっとも新人ではありながら二位に輝いた。

 さて順位付けはここからはかなり消去法になる。私とは十歳離れた長女はトロトロとカメのような動きで車を動かし、よく「キャー!」とか「ワァ!」とか言ってはブレーキを踏むので、いつか重大な事故を起こすんじゃないかという危険性をはらんでいる。
 八歳離れた次女は車に乗ると人が変わったかのようなオラついた運転をするうえスピードも出すという、未来検挙予想図ぶっちぎりナンバーワンなので誰も積極的には乗りたくない。
 とっつぁんは危険性は低いのだが、いかんせん急停止急発車という『同乗者が絶対に酔う』というエクストラスキルを保有しているため、他にドライバーがいる場合は真っ先にドライバーの候補から外される。運転をしたくないからわざとそうやっているのではないかと思うほどなので、機会があれば『とっつぁんの日帰りバスツアー』などを企画するのでぜひ一度体験していただきたい。

 そんな我が家の運転事情だが、以前『事故現場でたこ焼きを食べる』と『交通事故と後遺障害』でも書いたとおり、私ととっつぁんは貰い事故の経験はあるが、自ら事故を起こしたことはない。
 それに比べ、我が家の女性陣は原付でやたらと事故を起こしている。

 信用度ランキング一位のおかんも、私の知る限り一度だけやらかしている。市役所から出る時に西日で目がくらみ、ポールに突っ込んだのだ。幸い単独だったのだが、彼女は偶然その瞬間を見ていた警察官が「どうしたんですか」と言ったことに対して「どうしたもこうしたもあるかぶつかったのだ」と憤慨したと語っており、ひょっとしたらヤバい奴なんじゃないかという疑惑が浮上した。

 長女は普段からカメカメと動きが遅いのだが、購入したジョグもこれまたとろい代物で、我が家までの急坂では面白いくらいスピードが出ない。だが本人的にはとろい方が危なくないらしく、悠々自適なカメライフを送っていたのだが、一度私の目の前で事故を起こしたことがある。

 私が小五の夏、家の前で幼馴染とボール遊びをしている時、遠くの方で『ガシャン』と音がして、なんだろうと思って辺りをキョロキョロしていると、幼馴染が「あッお姉ちゃんが事故してる!」と叫んだ。坂を駆け下りて確認に行くと、彼女の原付が車とぶつかっていた。だが不思議なことにぶつかっているだけで転んでいなかった。こちらが一時停止なのだが、ゆっくりゆっくり進みながら曲がろうとしたところに車が来て、ゴッツンコしたらしい。
 他にも彼女は停まっている車に突っ込んだこともあり、運転技術の無さに関しては一位かもしれない。

 次女も何度か事故をしているようだが、一番印象的だったのは嫁入り直前に原付で大荷物を運んでいる際、バランスを崩して転び、膝からぱっくり骨が見えるという単独事故をやらかした時だ。私がリビングでピアノを弾いていると彼女が泣きながら帰ってきたので、消毒をして大急ぎで病院へ連れて行ったものだ。

 世の女性達も似たようなものなのかは分からないが、我が家の女達は事故率百パ-セントを誇り、今や誰も原付に乗らなくなった。一方私の妻は東京生まれ東京育ちなので免許を何一つ持っていない。だが彼女は致命的に運動神経と空間把握能力がないため、もし運転などしようものなら一日に一人は人を轢くだろう。
 何かの間違いで車が絶対必要なド田舎に引っ越してしまったら、きっと彼女は生きていけない。

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