地獄の画家卍イラストエッセイ水無

俳優として全国CMで主演を務め、入社した映像制作会社で「喋りが面白いから」となぜかYouTuberにさせられてうっかり1,000万回も見られてしまう。地獄のようなイラストを添えたエッセイを毎日公開中。書籍化したいので、皆さん応援してくださいね☆

5.1CHサラウンドを求めて【イラストエッセイスト水無】

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 4.5帖の部屋に55インチのテレビと5.1CHホームシアター。それが私の小城である。
 以前イヤホンのエッセイを書いたが、今回は5.1CHについて書こうと思う。イヤホンの時も言ったが、私は高額の機器を買い揃えるオーディオマニアではないのでそのつもりで読んでいただきたい。

  そもそも5.1CHとは何ぞやという話だが、スピーカー五個と重低音専用機のサブウーファーなるものから構成されるオーディオシステムのことだ。スピーカーを前方の左右と中央で計三個、後方の左右に計二個配置する。すると映画やゲームなどの音が立体的に作られた作品を観た場合、後方で爆発したシーンでは本当に後方から聞こえ、耳元で囁かれるシーンだと本当に耳元で聞こえたかのような錯覚を引き起こしてくれる、オタクにとって絶対必須の環境のことだ。

 私は特段オーディオに興味があったわけではないのだが、ファイナルファンタジーの映像作品を観た時、テレビは大画面なのに音がショボいなと思い、色々調べ始めた。するとホームシアターセットを買いないさいという情報がネットのあちらこちらに書かれていたので、私は早速なんばのヤマダ電機に行って物色を始めた。するとおぞましいことに高いものだと何百万円もの値段がし、エントリーモデルでも平均三、四万円の物ばかり。二万円以内で買えるだろうと無知の皮算用をしていた私にとってこの価格帯は青天の霹靂で、オーディオコーナーで一人慌てふためく不審者と化していた。私が従業員なら速インカムで報告していただろう。
 絶望にかられていると、いかにも物知りそうなおじさん従業員が話し掛けてきたので、私は買いに来たのだが予算オーバーであることを伝えた。すると彼は「型落ちの商品が一つ残っているんですよ。物はいいのでおススメですよ」と、隅っこに置かれたパイオニアのオーディオセットの所へ私をいざなった。一万四千円と値札の付いたその商品は、重低音を出す本体兼サブウーファーこそ立派なサイズながら、スピーカーは手のひらサイズの物だった。こんな小さなオモチャのようなスピーカーで満足な音は出せないだろうと私は彼を怪しんだが、たしかにこの価格で試せるのは魅力的だ。それに何枚かある値札を捲ると、はじめはもっと立派な値段が付けられていた。本当に型落ちしているのだ。
 これを買おうと胸をときめかせた私は、あまり乗り気ではないそぶりを見せて値切り、二千円引きの一万二千円で購入した。

 早速家に帰って繋いでみると、なんと言うことか、本当に映画館のような臨場感なのだ。小さいながらもやはりテレビスピーカーとは雲泥の差で、私はオタクライフを楽しんだ。

 それから一年が過ぎ、やはりスピーカーが小さすぎるのではないかと疑問に思った私は、小さいスピーカーを外して家にあったMDコンポのスピーカーを繋いでみた。するとどうだろう、多少籠りがちだった音質が一気に明るくなり、私はドンッと突風に吹かれたような衝撃を受けた。
「これだ!」
 その日から私は出かけるとハードオフのようなリサイクルショップを訪ねてはスピーカーを探すということが習慣になり、一年ほどかけてオンキョーというメーカーの同じ型番のスピーカーを五個揃えた。だいたい一個千円ほどだったのと、元々付いていた小さいスピーカー五個はヤフオクで純利益千円ほどで売ったため、最終的なホームシアターセットの金額は一万六千円ほどとなった。

 やはりオンキョーのスピーカーは音質が全然違う。たいそう感動した私はテレビだけでなくパソコンもホームシアターセットから出力するようにしたのだが、これが大当たりだった。音楽を流すと、とんでもない臨場感を得られるのだ。この一年、私はこの至福の時を夢見てリサイクルショップを渡り歩いた。私の苦労はこの時報われたのだ。

 ちなみに自分でスピーカーを換える場合はインピーダンスやら抵抗値やらを見ないといけないので、換装を考えている人は一度しっかり調べてから買うことを強くお勧めする。
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これからもエッセイを投稿していきますので、気に入っていただけましたらまたご覧ください。
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ありがとうございました。