地獄の画家卍イラストエッセイ水無

俳優として全国CMで主演を務め、入社した映像制作会社で「喋りが面白いから」となぜかYouTuberにさせられてうっかり1,000万回も見られてしまう。地獄のようなイラストを添えたエッセイを毎日公開中。書籍化したいので、皆さん応援してくださいね☆

外出禁止とゲーム禁止の共通点【イラストエッセイスト水無】

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 二〇二〇年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が発表した『不要不急の外出禁止』と、香川県が発表した『高校生以下は平日ゲーム一時間以上禁止』だが、共通点がある。

  最初に言っておくが、私は外出もゲームも大好きだ。友人とツーリングやバーベキューもするし、十時間以上連続でゲームをすることもある。今制限されている二つの禁止について、私はどちらの気持ちも分かるうえで、都知事選投票日の今日、考えを書いていく。

 緊急事態宣言発令中は外出に対する世間の監視が厳しく、不用意な外出をする者が私刑に遭うことも珍しくなかった。『自分は今素晴らしいことをしている』という正義感を振りかざす人や『不要不急の外出をする者がウイルスをばらまき人を殺しているのだ』とウイルスや常識のない人間を憎む人などが断罪者の大きな割合を占めたのではないだろうか。
 世間が死の恐怖から逃れようと外出自粛を訴えるなか、そうやって出歩く人間はいったい何を考えているのだろう。もちろん、悪いのは彼らだ。しかしそうやって否定するのは簡単だが、その思考回路を読み解くことも必要なのではないかと私は思う。

 外出が好きでたまらない人間が世の中にはたくさんいる。それはニュースなどを見ても明らかだ。彼らは自分は感染しない、あるいは感染したとしても外出をやめる気はないと思っている。それはもはや趣味の域を越えて『生き方』と言った方が正しいのではないだろうか。キリスト教は禁止だと言われたキリシタンが命を捨ててでも信仰を曲げなかったのに近いものを感じる。生き方を変えるというのは中々に難しいのだ。

 ゲーム禁止の話に移ろう。香川県はゲームを長時間すると『ゲーム脳』になってしまうため学生は規定時間を越えてゲームをしてはいけないと、賛成意見多数であるようにデータをでっちあげてまでゲームを禁止しようとしている。まるで親を殺されたかのような勢いだが、彼らは知らないのだ。あれこれダメだと抑制されて育った子どもは、大人になった時にその反動が爆発してしまうことを。もちろんゲームばかりして勉強をしない、睡眠時間が短くなる、といったことは学生にとって間違ったことだと思うので、ある程度の管理は親がすべきである。香川県はやり方が間違っているのだ。

「緊急事態宣言が出ているので外出しないで」とだけ言っても、彼らの生き方を変えることは難しい。
「ゲームを一時間以上してはいけないルールだから」とだけ言ってゲームを取り上げても、子どもは納得しない。
「今外出したら殺す」と目の前で武器を構えられたら、彼らは外出しないだろう。だがそうやって抑えつけるのは、子どもにゲームをただ禁止するだけの大人と同じだ。

 日本では『Stay Home(家にいよう)』と言われていたが、あんな呼びかけでは彼らを止めることはできない。海外では『Stay Home Save Lives(命を守るために家にいよう)』と言われているのに、日本ではなぜか目的を言わずにただやれとだけ強いている。
「今あなたが外出することで、何人もの人をあなたが殺すことになる可能性が十分あるんですよ。人を殺したいんですか?」と目の前で真剣に訴えれば、いくら「外出するのは私の生き方だ」と言う彼らだってほとんど外出をしなかったはずだ。
「楽しいからと今勉強せずにゲームばかりしていると何も出来ない大人になって、全然楽しくない人生になっちゃうんだよ」とゲーム時間を制限する理由を納得させられれば、自らの意思でゲーム時間を制限できる子どもだって増えるはずだ。

 目的を理解させる努力を放棄して行動の制限だけ連呼する事こそが、頭の悪い大人なんじゃないかと私は思う。
「ゲームばかりしてるとこういう大人になっちゃうんだよ」と反面教師にされないよう、我々大人も気を付けていこうじゃないか。
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これからもエッセイを投稿していきますので、気に入っていただけましたらまたご覧ください。
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